
昔、Beatsシリーズを試聴した時に思ったのが「音が低音に隠されてしまってるじゃないか」でした。誰が買うんだこんな物と思ったのは懐かしい記憶(Beatsユーザーの方ごめんなさい)。最近アップルがBeatsを買収したと聞いて何故Beatsなんかと思い、調べてみたらこの記事が。しかし昨日この記事を読んで納得してしまった。当たり前じゃないか!と…。アップルが少しでも音質を良くしてくれることを願っています。(記事が結構長いので、スマホや携帯の方のために分割します。マジで長いですよw 不便をかけますが、ご理解下さい)
Beats By Dreみたいな製品は後にも先にもこれだけですよね。モールも機内もクラブも、その辺の道を歩いていてもbの派手なヘッドフォンが最近やたらと目につきます。大きくて高価なホットアイテムになってしまってますが、実はあれってDr. Dreが自分で開発したわけじゃなくて、もともとは高すぎるHDMIケーブルで有名なオーディオ会社モンスターが開発したものなんです。
今でもモンスターのロゴがちっちゃく地味に入ってる初期バージョンお持ちの方もいるので、それは割と知られてると思うんですけど、あんまり知られていないのはその後日談です。モンスター、実は提携契約のとき全部相手のいいようにされて、甘い蜜にあやかる前にポイッされてたんです。まさに少年ダビデと巨人兵ゴリアテ。ただしこの場合、モンスターがダビデで、しかもゴリアテに追い出されるという聞くも涙な悲劇…ここに述べるのは、このテック史上最悪とも言われる提携の内幕です。
ラッパー御用達ガジェット「Beats」の歴史が始まったのは、Dr. DreがどっかのクラブのVIP席で黄金シャンパン「クリスタル」浴びるほど飲んでる時…ではなく、マイバッハ乗り回してる時…でもなく、会議室でサメの水槽とプラチナレコードに囲まれてる時…でもありません。Dr. Dreが監修に入って世界中の若者の耳に「b」のロゴが踊るようになる遥か以前に中国からきた移民がカリフォルニアの自宅でオーディオ機器をいじり始めた時点に遡ります。
BeatsはMonster, Inc.に始まり、そのMonsterを始めたのがNoel Lee(ノエル・リー)。
人懐っこくて、ものすごく頭の切れる、マンガみたいなヘアスタイルの男で、マンガの悪役みたいな車いす…Noelは足が不自由なので、移動にはクロムプレートのセグウェイを使ってます。大学で工学を勉強し、モノ作りに目覚めたのが1979年、音楽のサウンドの可能性を最大限引き出してみたいと部品製造ビジネスを始めたのがきっかけです。
シリコンバレー流にNoelも最初は家の地下でキンコンカンコン始めました。いろんな銅線で音を聴き比べて音質が最高になるものを選んで製品化して…で、またまたシリコンバレー流に派手にマーケして思いっきり高い値段で売ったんです。これがモンスターケーブル。音楽を愛する人にアピールするため「より優れたサウンド」ということにしたんですが、違いは微々たるもので、主に想像の世界とPR資料の中だけに存在するようなものでした。が、「スピーカー用ケーブルの可能性を塗り替える革命的製品だ」とNoel Leeは大風呂敷を広げたのです。まあ、息子のKevinは「病人でもないやつに治療を売りつけるようなものだ」と言ってますが。
モンスターはやがて高過ぎるHDMIケーブル、サージ保護装置にも業務を拡大し、スクリーンクリーナーは5種類も発売。無用の高過ぎる製品を次から次へと世に出し、「ボッタクリの天才」という異名を獲得します。まあ、ケーブルも高価なバスケットボール・シューズみたいなもので、本当にいいものが必要なのは世界に200人ぐらいしかいなくて、残りの凡人には違いが全くわからない世界…ぶっちゃけ違いなんてあってもなくても関係ないんです。こうして、それらしく買い手に納得させてステータスシンボルに押し上げる戦略で、Noelは業界の一角にガッツリ食い込んだのでした。
でも200ドルのケーブルだけ売ってても自ずから限界がきますよね。そこで次に考えたのがスピーカーです。しかし、スピーカーは遅きに失した感があり、Hi-Fiサウンドの時代ももう終わってて、大体の人はTVの音とか、せいぜいサウンドバーの音で満足してしまってますから、モンスターの出る幕はありません。
そこで目をつけたのがヘッドフォンです。これだったら俺らでも行ける!ということになったのです。