世界初の能動型通信衛星を打ち上げ
テルスター衛星(Telstar)
アメリカ航空宇宙局(NASA)が打ち上げた通信放送衛星。
1号機はAT&Tの依頼を受けてベル研究所が作成したもの。
1962年(昭和37)7月10日に打ち上げられ、
パリからアメリカへのテレビ中継に成功した。
概要
無線信号を中継するために人工衛星を静止軌道に配備する方法の基本原理発表当時は、宇宙空間に人工衛星を運ぶ具体的な手段がなかったが1957年10月4日、当時のソビエト連邦が初の人工衛星スプートニクの打ち上げに成功しその実現性が検討されるようになってきた。
スプートニク・ショック
人工衛星打ち上げでソ連に先を越されたアメリカでは「スプートニク・ショック」が起こった。
これは、アメリカが科学技術の分野で最先端であるという意識が、人工衛星打ち上げの事実により覆されたためである。
その影響で、教育・軍事・科学技術部門の改革の必要性が認識され、アメリカ航空宇宙局(NASA:1958年)設立、アポロ計画(1961年)へとつながっていった。
なお、アメリカ陸軍はスプートニクに対抗して、1958年1月31日にエクスプローラー1号(重量14kg)を打ち上げている。
当初は軌道上で安定に動作する中継機(トランスポンダ)の開発が困難であったため、受動型衛星エコー1号および2号の実験が行われた。
この衛星はいわば金属皮膜をもつ風船であり、軌道上の衛星を電波信号の反射板として用いるものである。
原理的には光を鏡で反射させる事と同じ。
利用する電波の周波数を自由に選べ、また衛星の構造が単純なので故障もしにくいという長所があるが地上からの電波の送信(アップリンク)に大電力を要するという大きな欠点があった。
このため地上からアップリンクされた電波信号を衛星で受信して電力増幅し、高利得のアンテナにより地上に向けて送信する(ダウンリンク)能動型衛星の開発が行われた。
テルスター衛星は初めての能動型通信衛星である。
ベル研究所で開発されたCバンドのトランスポンダを装備していた。
この際のアップリンク6GHz帯、ダウンリンク4GHz帯という周波数の組み合わせはその後広く通信衛星で用いられるものとなった。
Cバンド(C帯、C-band)
マイクロ波の周波数帯域の一つ。
6GHz帯(4~8GHz; 波長37~75mm)のセンチメートル波(SHF)にあたる。
通信衛星・固定無線・無線アクセスやレーダーなどで利用されている。後にIEEEによって体系的に整理された際に現在の周波数帯域に命名された。
このテルスター衛星は1962年7月10日、NASA(1958年設立)によりケープカナベラル宇宙基地から、民間企業が初のスポンサーとなって打ち上げられた。
テルスター衛星は2時間37分で周回する、軌道傾斜角45度の楕円軌道(遠地点 約5,600km、近地点 約950km)に投入された。
テルスターはAT&Tに所属するがこれはAT&T、ベル研究所、アメリカ航空宇宙局、イギリス郵政省、フランス郵政省間の衛星通信技術を開発するための多国間合意によるものである。
その後、トランスポンダの数や帯域を増やし送信電力も高めたリレー1号衛星も1962年12月13日に打ち上げられた。
このリレー1号を用いて1963年11月23日に行われていた初の日米間テレビ伝送実験中にジョン・F・ケネディ米国大統領の暗殺事件が報道され、その映像は当時のテレビ視聴者に強い印象を与えた。
JFKに関してはググってくれ。
HP制作中止など…。
色々と関わりたくないことだらけだ。
豆知識
通信衛星という考え方はアーサー・C・クラークが初めて提唱したものとされるが、ポトチュニックの1928年の先行作品に基づくものである。
クラークは1945年、「ワイヤレス・ワールド」誌に「地球外の中継器」と題する記事を著した。
この記事には、無線信号を中継するために人工衛星を静止軌道に配備する方法の基本原理が説明されていた。
このため、一般に通信衛星の発明者として紹介されるのはアーサー・C・クラークになった。
抜粋:http://tiny.cc/duhe0x(wikipedia)より
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