グランドキャニオン空中衝突事故
1956年6月30日にアメリカ合衆国で発生した
旅客機同士による航空事故(空中衝突)である。
事故の要因として、
有視界飛行や航空管制の不備が指摘されたため、
航空行政の改善の契機となった。
双方の不注意による空中衝突とされている。
概要
トランスワールド航空(以下TWA)002便は、途中ミズーリ州カンザスシティ経由ワシントンD.C.行きであり、ロッキードL1049スーパーコンステレーション(愛称:Star of the Seine)で運航されていた。
もう一機のユナイテッド航空718便(以下UA)は、シカゴ経由ニューアーク行きであり、ダグラスDC-7(愛称:Mainliner Vancouver )で運航されていた。
事故
1956年6月30日の土曜日の朝、アメリカ西海岸のカリフォルニア州ロサンゼルスから、2機のレシプロ大型4発旅客機が東に向けて飛行し始めた。
TWA002便は、ジャック・ギャンディ機長とジェームス・リスナー副操縦士ら乗員6名と、乗客64名が搭乗して、31分遅れの午前9時01分(アメリカ西部夏時間、以下同じ)に離陸。
コロラド州トリニダードに向けて飛行。
続いてUA718便も、午前9時3分にロバート・シャーリー機長とロバート・ハームス副操縦士ら乗員5名と乗客53名が搭乗して離陸し、ミズーリ州セントジョゼフに向かって高度21,000フィートで飛行していた。
事前に提出されていたフライトプランでは、TWA機の巡航速度は500km/h、UA機は530km/hであり、後から離陸したUA機の方が速かったが、いずれも計器飛行であり、許可された巡航高度も航空路も違っていたため、フライトプラン通りであれば、衝突する危険性は無かった。
TWA002便はモハーベ上空で、巡航高度を21,000フィートに変更できないかと、自社のオペレーターを通じて航空管制官に許可を要請したが、すでにUA718便に与えられていたため、拒否された。
代わりに雲の層の上1000フィートを飛行する許可を与えたが、しかし皮肉にもこのときの雲頂高度が20,000フィートであったことが後で判明した。
そのため両機は、同じ飛行高度を取ることになった。
しかも当時は、操縦乗員の判断で計器飛行をキャンセルし、航空路をショートカットして近道することが容認されており、両機とも航空路を逸脱しグランドキャニオン渓谷上空で交差するコースを飛行することになった。
そのため、速度の速いUA718便がTWA002便に後ろから追いつこうとしていた。
両機からのソルトレイクシティ航空管制への最期の通信は、それぞれペインテッド・デザートという定められていた通過線附近を飛行中の午前10時31分に行われたが、002便の通信が突然沈黙した。
一方の718便からの最期の通信が入ってきたが、それもすぐに沈黙した。
後に718便の通信は
“Salt Lake, ah, 718… , we are going in…”
(ソルトレーク、こちら718便…我々は突っ込んでしまう!)
と云いかけていたことが判明した。
UA718便は右に急旋回して、衝突回避しようとしたが、間に合わなかった。
その瞬間にUA718の左主翼がTWA002便の中央垂直尾翼に接触し、UA718便の第一エンジンのプロペラブレードが002便の後部胴体を切り裂いてしまった。
そのためTWA002便は急減圧に見舞われ、急降下して墜落した。
一方の718便も左主翼を喪失したため、ゆっくりと降下し、002便から1.5km離れた地点に墜落した。
捜索
2機はともにグランドキャニオン渓谷のコロラド川とリトルコロラド川が合流する地点近くの西岸に墜落しているのを翌日発見されたが、両機に搭乗していた128名に生存者はいなかった。
両機の残骸は炎上したうえ、回収困難な場所に散らばっていたため、遺体の収容のためにスイスから山岳救助隊の支援も受けた。
奇しくもユナイテッド航空とトランス・ワールド航空の両社の旅客機は、1960年にニューヨークで空中衝突(過去記事)する事故を起こしている。
その後の調査
当時の航空機には、フライトレコーダーなどといった装置は搭載されていないため、詳細な経過は判明しなかったが、空中衝突したのは
「双方の旅客機操縦乗員の見張り不足であった」
と推定された。
航空管制官は両機に対して、双方の情報を伝えていなかった。
事故調査を担当したアメリカ民間航空委員会(CAB)は公聴会で、
「この点を管制官に尋ねたが、両機が通過していたペインテッド・デザートの通過線は約280kmの幅があり、実際にどこを通過するか特定できない」
と証言した。
また、通過予定時間が同じであっても、必ずしも危険ではないことと、空中衝突地点は航空管制区域外であり、把握することが出来なかったこと。
そして両機は有視界飛行方式で飛行していたのであるから、原則どおり操縦乗員は自己責任に基づいて視認飛行しなければならないことを主張した。
Σ(‘◇’*)エェッ!?
この事故の背景に、当時の航空管制に対する問題が指摘されたことから、アメリカ政府は、
「定期旅客便は原則としてフライトプラン通りに計器飛行方式で飛行すること」
を義務付け、航法システムや航空管制システムを近代化するために、多くの予算を投入した。
こうした過去の犠牲によって現代では空中衝突は、ほぼ起きなくなった。
観光
痛ましい事故まま終わりたくないので、グランドキャニオンに行ったなら是非ココは個人的に行って欲しくない!と言う所を紹介。
グランドキャニオン・スカイウォーク
Grand Canyon Skywalk
アメリカ合衆国、アリゾナ州のグランド・キャニオンに設置された観光アトラクションで、U字形の透明な展望橋。
床は見ての通りガラス張りww
設備はとても立派です!
しかしながら、ここの運営側が全てを台無しにしてくれますw
それでも行きたいなら、ご自由に~ww
抜粋:http://tiny.cc/l4fyzx(wikipedia)より
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