理研側がSTAP論文の取り下げ検討

理研側がSTAP論文の取り下げ検討

若山照彦・山梨大教授 「STAP細胞」の論文取り下げの提案について取材[/caption]

画像や表現に不自然な点があるなどと指摘されている新たな万能細胞「STAP細胞」の論文について、共著者の一人、若山照彦・山梨大教授は10日、「信用できなくなった」と語り、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方晴子・研究ユニットリーダーら他の著者に論文を撤回するよう呼び掛けたことを明らかにした。

理研は「現時点で、論文の根幹は揺るがないと考えているが、提案を深刻に受け止めている。取り下げも含めて検討する」としている。世界的な注目を集めたSTAP細胞研究は、重要な役割を果たした共著者が論文撤回を求める異例の事態となった。

またSTAP細胞論文の画像が、小保方氏が早稲田大に提出した博士論文の画像と酷似していることも同日新たに判明。若山氏は撤回を呼びかけた理由としてこの問題を挙げた。

同日、理研発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子・研究ユニットリーダーらがSTAP細胞を発表した英科学誌ネイチャーの広報担当者は10日、取材に対して「当該の論文をめぐるさまざまな指摘については承知しており、現在、調査を行っている。現段階ではこれ以上のコメントは差し控えたい」と答えている。

懸念していたことが、現実になりそうな様相を呈しています。難病の人たちの光であっただけに残念でならない。

しかし世の中悪いことばかりではない。この度、京都大学iPS細胞研究所(山中伸弥所長)はiPS細胞を使い、手足などが震える神経の難病であるパーキンソン病を治す臨床研究を2016年にも始める。iPS細胞から育てた神経細胞を移植し、脳の機能を回復させる。治療に必要な細胞を安全に作る技術を確立した。iPS細胞を使う移植は今夏にも理化学研究所が目の難病を対象に世界で初めて実施する。今回は2例目になりそうだ。日本発の再生医療が世界をリードする可能性がある。

【パーキンソン病とは】 パーキンソン病は、手足のふるえ(振戦)、手足のこわばり(固縮)、動作が緩慢(寡動、無動)、転びやすくなる(姿勢反射障害)等の運動症状を引き起こすとともに、様々な全身症状・精神症状も合併します。症状がゆっくり進行するため、本人の自覚症状がないまま、症状が悪化することがあります。 この症状は、神経同士の連絡を司る物質の一つであるドーパミンを作る神経細胞の数が減少する事で起こります。その原因は不明な点が多く、いまだ十分に解明されていませんが、いくつかの遺伝子の異常や、環境との関わり、神経毒、酸化ストレス、ミトコンドリア機能障害等が仮説として挙げられています。

STAP細胞が取り下げとなった今、 ES細胞やIPS細胞での医学の発展に期待したいものである。

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