YouTube設立
YouTubeは、アメリカ合衆国・カリフォルニア州サンブルノのYouTube, LLCが運営する動画共有サービスである。
Youは「あなた」、Tubeは「ブラウン管」(すなわち「テレビジョン」)という意味である。
PayPalの従業員であったチャド・ハーリー、スティーブ・チェン、ジョード・カリムらが2005年2月15日にカリフォルニア州サンマテオで設立した。
初めて動画が投稿されたのは同年4月23日である。
設立のきっかけはハーリーらが友人にパーティーのビデオを配る方法として考えた結果に作った技術を使い、「皆で簡単にビデオ映像を共有できれば」と思いついたことによる。
概要
ウェブサイトは多言語で構成されており、サービスは基本無料(一部有料)で利用できる。
Ajaxと呼ばれる技術が用いられており、YouTubeを利用するにはJavaScriptを有効にする必要がある。
Web 2.0の代表的なサイトの1つとされる。
SNSに分類されるのは、動画や利用者にコメントを付けられるためである。
アップロードできるのは動画ファイルのみで、音声ファイルなどはそのままではアップロードできない。
アップロードされた動画はすべて必ず再圧縮され、元動画は視聴者はダウンロードできない。
また、幅広い動画形式を受け付けるので、元動画はそのままアップロードすると視聴者に最もきれいな動画を届けることができる。
話題性
2006年初期の段階で、動画ファイルを容量・本数無制限に無料でアップロードできるという仕組みが注目を集めた。
しかし同時に大量のアダルト動画がアップロードされはじめたことが問題となった。
人的リソースの問題から厳密な処理ができず削除対応がゆるやかであり、それが視聴者を増やすこととなった。
アメリカでは2005年12月頃にNBCの人気テレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』がアップロードされていたことからブログなどで話題になり、2006年上旬にはYouTubeの映像をブログなどに貼り付け簡単に見られるAPIも公開され爆発的に普及した。
日本ではこの頃からブログなどで紹介され人気が上昇、2006年3月頃からニュースサイトで取り上げられるようになった。
それに応じてネットの一部でYouTubeをローマ字読みにした「ようつべ」やそれを当て字に直した「用津辺」という呼称が用いられるようになり、ネットスラングとして定着する。
また、YouTubeAPIを利用したサイトなどのアグリゲーターサービスが数多く開始された。
コンテンツとビジネス
著作権問題はあるものの手軽に動画が楽しめることから、コンテンツ業界に注目されている。
2006年4月にアメリカの映画制作会社・The Weinstein CompanyとDimension Filmsが提携し、映画の予告編がYouTubeで配信された。
2006年6月28日にNBCと提携、NBCのコメディドラマ『The Office』のPVを配信したりプロモーションページを設けた。
またNHLはYouTubeと契約し、試合のダイジェスト版の提供を開始した。
CBSも2006年10月に契約し、「CBS Brand Channel」をYouTube上で立ち上げた。
CBSは2007年1月12日に行われた講演内でCBS社長兼CEOであるレズリー・ムーンバスが「今後、アメリカのテレビ局はYouTubeと提携し、テレビ番組や番組宣伝などをYouTubeに流すことになるだろう」と答えた。
だが2007年2月22日になると、CBSとの提携は決裂したと報道された。
翌月の3月3日にはBBCと提携し、「BBC Channel」を立ち上げることとなった。
またNintendo of Americaはゲーム機「Wii」のCMを、ナイキはシューズの日本向けCMをYouTube上で公開した。
さらにレコード会社などが自前のページを立ち上げて配信を始める例も見られ、新たな活用法が模索され続けている。
日本のテレビ局はYouTubeとの提携に慎重な姿勢を持っていたがYouTubeが日本語に正式対応したのを受けて2007年6月19日にスカイパーフェクト・コミュニケーションズ(現・スカパーJSAT)がGoogleと提携し日本の放送局としては初めてスカイパーフェクTV!(スカパー!)のパートナーページを開設し、さらに同年7月12日には東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)が日本の地上波放送局としては初めて提携を結びブランドチャンネルを開設。
2007年12月25日にはFMラジオ局・Kiss-FM KOBEが動画でプレミアムパートナーページを開設した。
2009年9月末にはTBSとテレビ朝日がパートナー契約を締結、公式チャンネルを設けた。
2010年4月5日にはテレビ東京もパートナー契約を締結、公式チャンネルを開設している。
在京キー局で最後まで公式チャンネルを開設していなかった日本テレビも、2011年11月1日にパートナー契約を締結して公式チャンネルを開設している。
ただしアメリカと異なり、日本の放送局はテレビ放映後のコンテンツ活用まで含めて出演者と契約しておらず権利処理が複雑なためドラマやバラエティー等の配信が困難であり活用しきれていない。
その一方で東映は2011年8月にYouTubeとパートナー契約を結び、特撮の公式チャンネルを開設してYouTube上で仮面ライダーシリーズ・スーパー戦隊シリーズ・メタルヒーローシリーズなどの一部の特撮作品の動画配信を開始している。
このほかの日本企業との提携事例ではGONZOと吉本興業がそれぞれブランドチャンネルを設置しYouTube上で動画配信を始めた他、mixiがYouTubeの動画を日記上に表示できる機能を実装、カシオ計算機がYouTubeに最適化された動画を撮影し簡単にアップロードできるデジタルカメラを発売している。
また角川グループの角川デジックスはYouTube向けの動画識別技術の実証実験に参加、これによる著作権対策が有効だと判断できたとして2008年2月より公式チャンネルを開設、角川グループとしてYouTubeのプロモーション活用を行うほか角川グループの映像作品を使った投稿動画についても各権利者の許諾が得られた場合公認動画として認定マークと広告を付加、広告収入を権利者に分配を行う事にしている。
さらに公認動画の広告枠の販売や、投稿された動画の優秀作の作者を角川グループの作品の監督や脚本家に起用するクリエイター発掘企画も展開する予定となっている。
影響
動画共有サービス以外の活用例としてはイーホームズの藤田東吾がYouTubeを通じ構造計算書偽造問題に対する告発を行ったり、ロサンゼルス市警察の警官が無抵抗な被疑者に対し暴力を振るっている姿を捕らえた映像がYouTubeで匿名で公開されたりと告発の場となっている。
他には、カナダの警察が犯人逮捕の為に殺人事件が発生した際に映った犯人らしき人物のビデオ映像をYouTube上で流している。
政治面としてはYouTube側が「You Choose ’08」を用意し、2008年アメリカ合衆国大統領選挙の為に候補者と有権者が直接映像で意見交換する場を設置。
そこには民主党・共和党の大統領候補者数名が既に自ら登録を済ませている。
登録者のひとりである大統領候補者ヒラリー・クリントンは「YouTubeを利用することで、アメリカ国民に自分の意志を動画で共有出来るから」とコメントしている。
日本でも2007年12月に自由民主党、社会民主党、日本共産党が相次いで公式チャンネルを開設、政策発信や党の活動状況の情報配信を実施し若い有権者へのアピールを行っている。
またコメント欄には多くの侮辱や悪口が書かれている。
こういったコメントから特定の人物に関する検索を行い、適切な文をリスト表示できるジェネレーターも開発されている。
2007年6月1日、ベネズエラにて反政府的としてウゴ・チャベス大統領によって閉鎖させられた民間放送局ラジオ・カラカス・テレビ(RCTV)は閉鎖に抗議する形として、YouTubeでの番組の公開を開始した。
2007年の後半にはオーストラリアのカトリック司祭・ジェフ・バロンの言動を隠し撮りした映像がアップロードされ、これがマスメディアを通して世界中に伝えられる事態となりやがては同司祭の解任にまで至った。
2010年11月4日、日本政府によってひた隠しにされていた尖閣諸島中国漁船衝突事件の映像が、sengoku38こと当時海上保安官であった一色正春により、神戸市のネットカフェからアップロードされ、事件の状況が明らかになり世間に衝撃を与えた。
これは尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件と呼ばれ日本では社会現象ともなった。
その他
2006年当時から機能追加も活発に行われている。
メンテナンス画面は机を組み立てる説明書を読んでいる男性の写真や帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)の電車に貼られていたドアステッカーの写真や東京消防庁の消火器具に描かれている消防士のキャラクターの画像などユーモラスで意味深長なフレーズと画像が使われるが、2006年6月2日のメンテナンスでトップページが「ALL YOUR VIDEO ARE BELONG TO US.」と書かれたものになりインターネット上で騒動となった。
これは「All your base are belong to us.」をもじったものと思われるが海外(特に日本)からのアクセス増加をよく思っていないと取れるため、「海外からのアクセスが規制されるのでは」「クラッキングされた」などといった推測が飛びかった。
のちにYouTubeのブログでユーザーに心配かけたことを謝罪し、機能追加を発表した。
2006年YouTubeはサーバの回線コストだけで月間100万ドルに達すると言われていたためサービス開始からしばらくはどういった部分で収益を上げていくかが注目されていたが、同年10月に入るとGoogleに買収されるのではないかとの報道が入り(ちなみにYouTubeは主にGoogle AdSenseの広告を利用していた)10月9日にGoogleが16億5000万ドルで買収に同意したとの発表を行った。
この買収について一般ユーザーからアップロードされた動画に対し厳しい規制が取られてしまうのではという危惧が持たれていたが、ハーリーCEOはこれに対し「YouTubeはGoogleに買収されたが、今後もYouTubeとしたブランドで独立したサービスを提供し続ける」と述べた。
またGoogle側もYouTubeの類似サービスであるGoogle Videoは続行してサービスを提供すると述べ、Google Videoの検索窓を通じてYouTube内の動画を検索するサービスを開始した。
また動画の違法投稿をしないよう呼びかける文を英語ではなく日本語で表示することを約束し、2007年2月頃から表示が始まった。
2008年1月4日にBS11で放送されたテレブリッドで日本版の関係者が初めてテレビに登場した。
動画
アップロードできる動画形式は非常に広く、現在流通しているほとんどの動画形式に対応している。
ニコニコ動画などと違い、必ずYouTube側で再圧縮が行われるので、自前で圧縮せずオリジナルファイルをアップロードするのが良い。
多くの動画は、Adobe FlashではなくHTML5で再生されるようになった。
アスペクト比は自動的に判断され正しい比率で再生できる。
Adobe Flash Player 7以降がインストールされていれば、ウェブブラウザでストリーミング再生できる。
UTF-8で運営しているため動画名やコメント、タグは日本語を含む多国語に対応している。
卑猥な動画など過激な描写を含む動画は視聴者からの通報などにより、メンバー登録による18歳以上の年齢認証が設定されるが、年齢認証は検証の手段が無い簡易的なものなのであまり有効ではない。
場合によっては年齢認証ではなく、ガイドライン違反として削除されることもある。
尚、年齢認証の必要な動画はYouTube側の独自の判断で決められる為、テレビで放映できるようなものも、嫌がらせの通報により年齢認証が必要となってしまうことがある。(特に暴力シーンがあると判断されたアクション映画のクリップ、路上でのストリートファイト等)。
投稿した動画が著作権侵害や過激な性描写などの理由で一定回数以上削除されるとそのユーザーのアカウントは警告なしに削除され、同時に過去にアップロードした全ての動画が削除される。
高画質でアップロードされた一部の動画は動画ページのアドレス末尾に“&fmt=”と入力しfmtキーの値を入力することで、高画質で表示することができた。
会員登録
ほとんどの動画は会員登録をしなくても閲覧できるが、会員しか見ることができない動画もある。
会員登録すると主に以下のサービスを利用できる。
自分の「チャンネル」ができ、自由にカスタマイズできる。
ホームページのようなもので、アップロードした動画やお気に入り動画のリストのほか、ユーザーのプロフィール、コメント欄、自分のチャンネルを「登録」した他のユーザーのリストなども表示できる。
基本は容量2GB、長さ15分29秒までの動画ファイルをアップロード、投稿できる。
ガイドライン違反がない会員の場合、申請および認証により容量20GB、長さ無制限の動画ファイルをアップロード、投稿できるようになる。
なお、過去にガイドライン違反があった会員(投稿した動画が著作権侵害で削除または全世界ブロックされた会員)は容量2GB、長さ15分29秒までの動画ファイルのままであり、この上限を引き上げる申請すらできない。
投稿された動画を「評価する」と「評価しない」の2択(以前の仕様では5段階で評価を決められていた)で評価したり、動画やメンバーにコメントを付けられる。
動画をまとめたプレイリストを作成・公開する機能、お気に入り機能がある。
再生履歴、共有動画などの情報から、ユーザーに「おすすめ動画」が表示される。
自分が登録したユーザーがアップロードした動画や「お気に入り」に登録した動画が表示される。
クローズド・キャプション用のファイルを追加することができる。
2010年12月1日までは特定のユーザーで「グループ」を作ることができ、動画を共有できた。
希望者・希望作品は動画作品をスポンサー協賛広告付で収益化できる。
この場合、本編の始まる前に動画CMを流すことができる(一部のスポンサーはそれを一定時間映してからスキップして本編を見ることができる)他、バナー(アイコンリンク)での静止画広告も挿入することができる。
ただし、収益化をするにあたっては申請後に審査を受ける必要がある。また収益を受け取るには本人名義の銀行口座と現住所の通知が必要とされている。
著作権問題
他の動画共有サービスと同様に著作権法によって保護されているコンテンツ、例えばテレビ番組やプロモーションビデオ、中にはアーティストのライブを密録したものなどが違法に多数アップロードされていることが問題点として指摘されている。
YouTubeは利用規約で著作権侵害になるファイルのアップロードを禁止しているが、違法コンテンツは後を絶たない。
YouTube側の対応
2006年3月27日からアニメなどの海賊版のアップロードを制限するために10分を超えるファイルのアップロードを原則制限しているが、利用者はファイルを10分以内に分割するようになった。
2006年4月10日から15分以上の動画をアップロードしたいとの要望に応えるため、Director制度が始まった。
Directorに登録すれば15分を超えるファイルのアップロードも可能になるが登録には審査があり、完全なオリジナルコンテンツを提供する人のみに限定されている。
通常とは違い、他者の著作権を侵害した動画をアップロードした場合は動画を1回削除されただけでアカウントも削除されることとなっている。
以前は違法コンテンツも放置される傾向にあったが、2006年5月頃からは削除作業が活発になった。
しかし現在でもかなりの量の違法コンテンツが横行し中には削除とアップロードを繰り返している動画もあり、いたちごっこになっている。
新作アニメなど人気動画の無断アップロードも依然後を絶たない状況となっている。
また2008年10月23日、YouTubeとJASRACとの間で音楽著作権に関する包括許諾契約を締結した。
YouTubeは収入の約2%をJASRACに支払うことによってJASRACの管理楽曲を二次利用した動画のアップロード行為は合法に当たる。
また、JASRAC以外にもJRC及びイーライセンスとも既に契約を結んでいる。
ただしこれらはあくまで二次利用の許諾であるため、オリジナル音源やプロモーションビデオをそのまま投稿することは違法行為である。
このため、動画に問題はなくても音源に問題がある場合、音源だけが削除されることがある。
テレビ局の対応
各テレビ局にYouTubeの動画の監視・削除要請などを行う専任監視部隊(主として編成や著作権・権利関係の業務を行う専任部署、またはスカイアンドロード社ほか番組制作会社の関連会社など)が設けられている。
度々の申し入れをせざるを得ない社(例:NHK、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京(以上在京キー局)、MBSテレビ、ABCテレビ、関西テレビ、読売テレビ(以上在阪準キー局)、東海テレビ、メ~テレ(以上在名テレビ局)など)に対しては、専用の申し入れフォームが作成送付されている。
特にTBSに至っては、「視聴者サービス部宛メッセージフォーム」にYouTube上でのTBS番組の無断アップロード(=著作権侵害行為)の件について通報すると通報した翌日から数日中にかけファイルがTBSによって削除されるようになっている。
また、TBSはほかの動画共有サイトにある動画の削除の対応にも強化を入れている。
以前はテレビ番組の名場面などの多数のコンテンツがあったがテレビ各局により現在は視聴できない状態である。
もちろん、番組自体をアップした場合短期間で削除される。
また視聴者側への警告として、例えば深夜アニメ放送では冒頭にインターネット上に動画をアップロードすることは「著作権の侵害」であるとの旨のテロップが流れている。
ただしこれはYouTubeが開設される以前にファイル共有ソフトによる著作権侵害が蔓延しだした頃からの対応でもある。
2006年、スペースシャワーTV、MUSIC ON! TVなども削除依頼を提出している。
しかし、番組映像の二次流用が後を絶たない。
例外的に、TOKYO MXの一部の番組についてはアップロードが黙認されたケースがあった(談志・陳平の言いたい放だい等)。
2006年放送の『BlogTV』は出演者、広告主、制作会社、TOKYO MXの4社がYouTubeに積極的にアップロードすることの番組的価値を見出し、30分放送のプログラムを10分枠で3本に分割した上でアップロードしている。
2008年4月7日放送の『東京ITニュース』においては、月曜日放送分を前週の金曜日にテレビよりも先にYouTubeで共有するという手法をとっている。
また、海外のテレビ局(BBCなど)の対応は比較的寛容である。
2007年1月25日から放送番組の違法流通を防止するため「放送コンテンツ適正流通推進連絡会」が発足した。
ここではYouTube上での番組無断アップロードも監視の対象としているため、今後ますますテレビ局や著作権関係団体による動画の監視・削除要請が激しくなることが予想される。
そのため2007年2月6日にチャド・ハーリーCEOと親会社のGoogleの幹部が来日し、日本の著作権団体らと会見。
Googleと相談し日本側が提示した登録者に対して個人情報登録をさせる件については難色を示したものの違法動画をアップロードすら出来なくなる技術を開発することと日本語での著作権に対する警告文を表示すると約束した。
また、今後も日本の著作権団体とYouTubeとGoogleの三者で話し合い調整する予定である。
レコード会社の対応
まずYouTubeは2006年9月にワーナー・ミュージック・グループとの間でミュージック・ビデオの取り扱いに関する契約を結んだ。
さらに2006年10月9日にユニバーサルミュージック、ソニー・ミュージックエンタテインメント、CBSとの間でビデオの投稿や購入に関する提携を行った。
Googleも同日にソニーBMG・ミュージックエンタテインメントとワーナー・ミュージック・グループとの間にビデオ配信に関する提携を行った。
2008年5月31日にGoogle/YouTubeはEMIとの間にビデオと音楽の利用に関する提携を行い、これにより世界的な4大メジャー・レーベル全てがGoogle/YouTubeとライセンス契約を締結することとなった。
またユニバーサルミュージック、ソニーBMG・ミュージックエンタテインメント、ワーナー・ミュージック・グループの3社は以前よりYouTube株を取得しており、Googleとの合併時に5000万ドルの利益を得たと報じられた。
メジャーだけでなくインディーズ・レーベルとも提携している。
著作権法改正案
2007年9月26日、文部科学省所轄私的録音録画小委員会2007年第13回会合にてYouTubeに勝手に公開されてしまった違法録音録画物を知らずにダウンロードしただけでも違法行為とする指針を決め、著作権法改正案のなかに入れることで合意した。
ただし、文化庁著作権課は「YouTubeはストリーミング再生なのでこの指針のうちには入らず違法ではない」との声明を出した。
だがYouTubeは構造的にストリーミング再生ではなくダウンロードでの再生であるためにもしこの改正案がそのまま国会で可決され施行された場合、YouTubeに勝手に公開されてしまった違法録音録画物を知らずに自分のパソコンなどで見ただけでも違法行為となるという意見がネットを中心として続出した。
しかしながら、このようなブラウザのキャッシュ機能は著作権業界における「ダウンロード」ないし「複製」には当てはまらないという指摘もある。
文化審議会著作権分科会は2007年10月16日から11月15日までパブリックコメントの制度を使い、広く意見を募集していた。
これに対しインターネット先進ユーザーの会などが意見の提出を一般ユーザーに呼びかけると共に、一般ユーザーの意見提出に対する支援を実施するとしている。
犯罪に利用された例
ここではYouTubeが犯罪に利用され、逮捕に至った例を記載する。
2010年6月14日、名古屋市中区の中学3年生の男子生徒がONE PIECEなど、主に「週刊少年ジャンプ」に掲載されている日本の漫画を著作権者に無断で公開したとして京都府警察に逮捕された。
2011年5月11日、嵐のコンサート映像とバラエティー番組をアップロードした男が逮捕された。
2015年1月5日午後7時ごろ、万引をしたように見せかける虚偽の動画を撮影する目的で、武蔵野市のコンビニエンスストアに侵入したとして、1月18日に東京都内に住む19歳の少年が滋賀県警米原署の捜査員によってJR米原駅で逮捕された。
少年は逮捕容疑以外にもスーパーマーケットの店内にあるスナック菓子につまようじを混入させたり、スーパーやコンビニ・駅構内の売店で万引き行為(を装って)いる様子をスマートフォンで撮影した動画を投稿した。
その後自宅を出て逃走、警視庁は少年を全国に指名手配し逮捕に至る。
少年は「少年法を改正させるために行動した」と供述している。
少年は2011年に2ちゃんねるに「新宿駅で通り魔をする」と予告し逮捕。
2013年には「博多駅で通り魔をやる」と予告した動画をYouTubeに投稿し、(直前の万引き行為の容疑で)2度目の逮捕となっている。
いずれも少年院に送られ、今回は保護観察中であり、生活保護を受けていた。
その後の取り調べで少年はコンビニ等に立ち入って動画を撮影したことは認めたが、万引きはやっていないと供述している。
アクセス規制措置
YouTubeには、各国の法律に違反するコンテンツの投稿が後を絶たない。
そのため、各国政府もしくは通信サービス提供者などはしばしば非常措置としてYouTubeへのアクセスを規制することがある。
2007年1月9日、ブラジルにてロナウドの元婚約者のダニエラ・シカレリが恋人と海岸にいる姿をパパラッチに撮られYouTubeに公開されたことに対しブラジルの裁判所に訴えYouTube側は何度もその映像を削除していたもののすぐに他の誰かが公開してしまい、まだ映像が残っているとのことによりブラジルからYouTubeに接続できなくなるという措置がブラジル政府により執られた。
翌日の1月10日には完全にその映像が削除され、アクセス制限は解除された。
2007年3月6日、トルコ共和国の初代大統領・ケマル・アタテュルクを誹謗する映像が掲載されたとしてイスタンブル第一刑事治安裁判所は同国内からのYouTubeへのアクセスを禁止する命令を下した。
この決定を受けトルコの通信サービス最大手、トルコ・テレコムはすぐにYouTubeへのアクセスを規制した。
問題の映像は削除され、3月9日にアクセス規制は解除された。
2007年4月5日、タイ王国暫定政府はプミポン国王を侮辱する映像が掲載されたとして同国内からYouTubeへのアクセス規制措置を下した。
映像自体は投稿者が自主的に削除したものの、YouTube側は「ジョージ・W・ブッシュ米大統領をもっとひどくからかった映像が放置されている」として削除要請を拒否した。
抜粋:http://ul.lc/5cph(wikipedia)より
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