中国科学技術部「煙霧の解消には30年もかからない」

中国科学技術部「煙霧の解消には30年もかからない」

大気汚染が原因の「煙霧」が深刻化している中国。中国科学技術部(省)の社会発展司の馬燕合・司長は3日、同部が開催した煙霧対策業務の状況を伝える会見で、「国外の事例からして煙霧の解消には約30年が必要だが、中国はそれほど長くかからない」との見方を示した。人民網が報じた。

馬司長は、中国科学技術情報研究所が発表した「ロサンゼルス、ロンドン、パリなどの煙霧と大気汚染の対策と啓示」と題する研究報告を基に、「ロサンゼルス、ロンドン、パリなどの煙霧の対策経験は、先進国は発展の過程で中国が現在直面しているような汚染を経験してきたことを示している。これらの都市は現在、その問題がほぼ解決している。国外の事例を見ると、煙霧は解消できるが、それまでに約30年はかかっている」と指摘した。

また、「さらに厳格で、効果的な環境管理に関する規制を設定したり、現代科学技術を利用したりすることで、中国の煙霧解消には、それほど長い時間を必要としない。ただし、一夜で解消することはできない。汚染源の統制や観測、警報、管理、規制の実行などを強化し続けなければならない。同時に、技術の革新や産業構造の調整なども継続的に行わなければならない」との見方を示した。(人民網抜粋)

と、人民網には書いてはいるものの、私の経験からすれば今の中国人民が政府に従うか?と言うとかなり疑問なのである。

北京

その理由は、まず第一に人民は自分の生活で手一杯な事。生活のためには仕事をしなければならないのは周知のことであるが、当時のロサンゼルス、ロンドン、パリと中国では生活レベルが全く違うのである。今の中国の貧富の差は激しく、極端に言えば、貧困階級(物乞いをしなければ生きていけない階級)、労働階級(働くことに依って何とか生活していける階級)、富裕階級(労働させたり、不労所得で暮らす階級)の3つしかない。中間階級がごっそり抜けている状態なのだ。貧困階級は別として、富裕階級は賄賂を渡してしまえば不合法でも合法に変わってしまう世界で、工場経営者や建設会社等の公害の元になっている会社が経営を辞めるだろうか?私にはあの人達が「はいそうですか。」と辞めるはずがないのである。

第二に、最近少子化制度を緩和した事。富裕階級は子供は前からお金を払えば、第二子・第三子と生むことが出来たし、愛人を囲えば子供はいくらでも作ることが出来る。(ちなみに、富裕階級では正妻と愛人が一緒に暮らしている所も多い。)しかし、労働階級はどうだろうか?今まで第一子しか許されなかった故に第二子を産む家庭が爆発的に増えた。そんな人達が仕事を辞めるであろうか?食べていくためにはもちろん働かなくてはならず、子供が増えることにより生活が切迫してくるのではないか?

最後に、政府の力がどんどん弱まっている。上記、富裕層がお金を渡せば合法になる。と、一見矛盾してるように思った人も居ると思うが、お金を払うのは政府にではない。政府との中間にいる監督機関に払うのである。この監督機関が、政府に異常なしと言えば、異常なしなのである。政府はすでに人民を拘束できる力を持っていないと言っても過言ではない。この状況で30年以内にというのは、私からしてみれば到底無理な話だと思うわけである。

中国の公害はもう警戒状態にきているとWHOも公表した通り、50m先が全く見えない地域もある。この先、日本だけでなく世界的な問題となっていくだろうこの中国の公害をどう対処していくのか?他国の事だと楽観視出来ない問題を日本や他国のの技術で解決したいものである。中国が許せばだが・・・。

中国の環境危機/バーツラフ・シュミル/丹藤佳紀/高井潔司

中国汚染 「公害大陸」の環境報告/相川泰

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