【今日の歴史】1952年12月8日の事【拉致監禁ミステリー】

【今日の歴史】1952年12月8日の事【拉致監禁ミステリー】
キャノン機関のあった旧岩崎邸
キャノン機関のあった旧岩崎邸

鹿地事件

鹿地事件(かじ)は、小説家の鹿地亘が1951年から1952年にかけてGHQを構成する一角であったアメリカのキャノン機関に拉致監禁されていた事件。
鹿地亘事件ともいう。

拉致

誘拐現場(国鉄鵠沼駅から藤沢方面およそ200メートルの場所)

鹿地が監禁されていた場所の一つ 1951年11月25日午後7時頃、鹿地が藤沢市鵠沼の自宅付近を散歩中、軍用車から降りてきた数人のアメリカ軍人に突然殴り倒されて車で拉致され、当時キャノン機関が接収して使用していた東京湯島の旧岩崎邸などに監禁された。
監禁場所は藤沢や沖縄のアメリカ軍施設など点々と変えられた。

監禁中、ソ連のスパイではないかと疑われて執拗な尋問を受け、さらにアメリカ側の二重スパイになることを強要された。
鹿地は戦時中、中華民国・重慶において蒋介石保護下で結成した日本人民反戦同盟に拠って日本軍兵士・捕虜に対する反戦プロパガンダ活動などに従事していた他、中国共産党とも近い関係にあった。
その関係で当時からソ連やアメリカの諜報機関との接触があったと言われている。
なお鹿地は監禁中、2回の自殺を図ったがいずれも失敗した。

解放
翌1952年に、不憫に思った監視役の日本人青年が鹿地の家族に連絡し、同年11月12日に家族は鹿地の捜索願を出している。同年12月6日には、家族の依頼を受けた左派社会党の猪俣浩三代議士などが解放に向けて尽力し、それが報道されるに至ると、鹿地は12月8日に神宮外苑において解放され帰宅した。

国会証人喚問

山田善二郎[1]により公となった事件は衆議院法務委員会で取り上げられ、鹿地は解放直後の1952年12月10日に証人喚問されて事件について証言をした。「重慶の時[2]のように、アメリカに協力するように強要された」と証言していることから、「アメリカと疎遠になってソ連に接近した鹿地を再び協力者にする目的で拉致された」という見方もある。後に鹿地は事件の詳細を記したとする著書「謀略の告発」を発表した。

キャノン機関とは
キャノン機関(the Canon Unit)とはGHQによる占領中の日本にあったGHQ参謀第2部(G2)直轄の秘密諜報機関。
名称は司令官であるジャック・Y・キャノン(Jack Y. Canon)陸軍少佐(のち中佐に昇進)の名前から来ているが、当時GHQ内での正式名ではなく、後に日本のマスコミが付けた名称と言われる。
Z機関(Z-Unit)、本郷機関などとも呼ばれている。

概要
第二次世界大戦終戦後、キャノン少佐はGHQの情報部門を統括するG2に情報将校として参加。
その有能さを評価したG2トップのチャールズ・ウィロビー(少将)が、占領政策を行う上での情報収集のため、1949年(昭和24年)にキャノンを首領とする組織を密かに作らせた。

本郷の旧岩崎邸に本部を構えたキャノンは26人のメンバーを組織した。

その他にも多数の工作員を抱え、柿の木坂機関、矢板機関、日高機関、伊藤機関という日本人工作員組織を傘下においていた。

日本人工作員の採用は、元軍人などを戦犯免除と引き換えに協力者にした例もあったと言われる。

当時すでに、アメリカとソ連との対立が顕在化している状況で、朝鮮半島での緊張も高まっており、主に北朝鮮情報の収集やソ連のスパイ摘発などに当たっていたという。
その後、民政局(GS)との政争に勝利したG2はキャノン機関を日本の共産主義勢力の弱体化にも利用した。

1951年(昭和26年)、キャノン機関は、作家・鹿地亘を長期間にわたり拉致監禁してアメリカのスパイになることを要求した鹿地事件を起こす。

翌1952年に鹿地が解放され、事件が発覚したが、この時にはすでにキャノンは解任され帰国していた。

この鹿地事件でキャノン機関の名が広く世に知られるようになると、1949年の国鉄三大ミステリー事件(下山事件・三鷹事件・松川事件)への関与も疑われるようになった。

鹿地事件の失敗でキャノン機関は消滅し、キャノンは帰国してCIA入りするがまもなく憲兵学校の教官となり諜報活動から身を引いた。

その後は自宅ガレージで高威力の対人弾薬を開発するなど実業家としても活躍したが、1981年、テキサス州の自宅ガレージで胸に銃弾を2発撃ち込まれ死んでいるのが見つかる。

自殺か他殺かは不明。66歳。

抜粋
http://ul.lc/580j(wikipedia)より
http://ul.lc/580k(wikipedia)より

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