【今日の歴史】1967年9月2日の事

【今日の歴史】1967年9月2日の事
シーランド公国
シーランド公国

パディ・ロイ・ベーツがシーランド公国として独立宣言

シーランド公国(シーランドこうこく、英語: Principality of Sealand)は、北海の南端、イギリス南東部のサフォーク州の10km沖合いに浮かぶ構造物を領土と主張する自称国家。

全国連加盟国及びバチカン市国よりも面積が小さいため、世界最小の国家を自称する。ただし、2014年現在、国連に加盟する193か国及びバチカン市国の計194か国の中でシーランド公国を国家承認している国はない。

1967年9月2日に元イギリス陸軍少佐で海賊放送の運営者だったパディ・ロイ・ベーツは、イギリス放送法違反で訴えられた。彼は当時イギリスの領海外に存在したこの要塞に目をつけ、占拠し独立宣言を発表、要塞を「シーランド」と名付け、自らロイ・ベーツ公と名乗った。

イギリスは強制的に立ち退かせようと裁判に訴えたが、1968年11月25日に出された判決では、シーランドがイギリスの領海外に存在し、またイギリスを含めて周辺諸国が領有を主張していなかったことから、イギリス司法の管轄外とされた。

シーランド公国の国旗
シーランド公国の国旗

クーデターの勃発
1978年に、ロイ・ベーツ公はカジノの運営を計画し、西ドイツの投資家アレクサンダー・アッヘンバッハ(Alexander G. Achenbach)を首相に任命した。ところが、アッヘンバッハらはクーデターを画策し、モーターボートやヘリコプターでシーランドを急襲しマイケル・ベーツ公子(現在の公)を人質に取ると、ロイ・ベーツ公を国外へと追放した。
英国へと渡ったロイ・ベーツ公は、20名程の同志を募ると、ヘリコプターを使用しての奪還作戦を行い、これを成功させた。

アッヘンバッハは公国のパスポートをもつ「国民」であることからシーランド公国により反逆罪で投獄され、7万5千マルクの罰金を命じられた。
西ドイツ政府はイギリス政府に自国民であるアッヘンバッハらの解放を依頼したが、イギリス政府は海上要塞は自国の司法の管轄外にあるとする1968年の判決を理由に断り、やむなくドイツはシーランド公国へ駐ロンドン外交官を派遣して解放交渉を行うこととなった。
一国から正式に外交官が派遣されるという事態に、ベーツは自国が事実上西ドイツにより承認されたものと喜び、罰金の問題は立ち消えることになった。

西ドイツへと戻ったアッヘンバッハらは、アッヘンバッハを枢密院議長(Chairman of the Privy Council)として擁立し、シーランド公国亡命政府の樹立を宣言、シーランドの正統な権利を主張した。
1989年にアッヘンバッハ枢密院議長が健康上の理由から引退すると、ヨハネス・ザイガー(Johannes Seiger)が首相兼枢密院議長(Prime Minister and Chairman of the Privy Council)として後を継いだ。
1990年には、シーランド公国亡命政府としての独自硬貨の発行も行っている。

近年における問題
2006年6月23日、老朽化した発電機から火災が発生。
同6月25日にはベーツ夫妻が国土に戻り、7月末には発電機や焼失した配線系統の復旧が完了した。

2007年1月8日付のイギリスデイリー・テレグラフ紙で、6500万ポンドで国全体が売りに出されていることが報じられた。なお、あくまでも国家の主権は売るものではないため、シーランド公国側では売却(Sale)ではなく、譲渡(Transfer)という言葉が用いられた。
これを受けて、スウェーデンにてBitTorrentのトラッカーを扱うウェブサイト「パイレート・ベイ」が買収に名乗りを上げたが、シーランド公国側に拒絶され断念する。

ロイ・ベーツの死去
ロイ・ベーツは、2012年10月9日(英国時間)に91歳で亡くなった。
同日、摂政マイケルが父の後を継ぎ、二代目シーランド公に就いた。

シーランド公国を示す地図.
シーランド公国を示す地図.

地理
領土全体が首都である。首都は公が直接統治していると推測される。

シーランド公国は北海上に建設された海上施設を領土とする自称国家である。
海底に設置したアンカー部分、2本の円柱、甲板という3つの部分から構成されている。
円柱部分はAからGの7階層のデッキとなっている。
発電機の置かれたAデッキとその直下のBデッキが海面上に、CからGデッキが海面下に位置する。BデッキからEデッキは戦時中、食糧貯蔵庫および要員の居室、Fデッキは弾薬庫、Gデッキは資材置き場となっていた。
360度のオーシャンビューが売りだが、Aデッキの発電機の振動がすさまじく、住環境はあまりよくないようである。

国土面積は207㎡とされている。国土が極端に狭く、バチカン市国より小さい。

イギリスは1987年10月1日、領海を従来の3海里(約5.5km)から12海里(約22km)へと拡大する旨を宣言した。これによりシーランド公国はイギリス領海に含まれるはずだった。
しかしその前日の9月30日にシーランド公国も自国の領海を12海里へ拡大すると宣言し、シーランドがイギリス領海に取り囲まれ公海と途絶する事態は回避された。
また、公式ショップサイトで土地の販売も行われている。

治安
通常、1名の兵士が1丁のライフルでシーランド領内を巡回している。
しかし、有事の際にはロイ・ベーツ公が英陸軍時代の人脈を背景に独自に集めた戦力が加わった事例があるため、必ずしもこの治安力が全てとはいえない。
また、シーランド騎士団も存在する。ただし、インターネットで加入権を販売しているのみで、実態はない。

経済
爵位の売買
【Lord,Lady,Baron,Baroness】
シーランド公国のウェブサイト上でロード(Lord)、レディ(Lady)を£29.99、男爵(Baron、女性形Baroness)の爵位を、2010年4月現在£44.99で販売しており、購入すれば誰でも卿や男爵などを名乗ることができる。
有効期限はないので、更新手続きなどの必要はない。
これらにはシーランド公国の概要・歴史・位置情報が書かれた書面、ロイ・ベーツ公の写真、これらを保存するためのファイルがセットでついてくる。

それぞれの称号に対して、申込時に登録した通りの名称・爵位が書かれた爵位認定証が送付される方式のStandard Noble Title Packと、£15を追加して額縁およびマイケル王子のサインが追加となるセット・Premium Noble Title Packの二通りがある。

選べる称号はロード(Lord)、レディ(Lady)、男爵(Baron、Baroness)のみ。「Lord/Lady/Baron/Baroness ○○ of Sealand」と印刷される。
LordとLadyはあくまでも“貴族である”という保証がなされているだけで、貴族の階級を認定するものではない。

【Count,Countess 他】
2011年末頃からCount/Countess Title Packとして新たにCount、Countess、Conte、Contessa、Comte、Comtessa、Conde、Condeesaの称号が£199.99で発売された。
いずれもそれぞれ英語、イタリア語、フランス語、スペイン語で「伯爵」を意味する。
このパックを購入すると、「シーランド公国の伯爵」を名乗ることができる。
有効期限はないので、更新手続きの必要はない。
額装された爵位認定証(マイケル王子のサイン入り)、ゴールドの身分証明カード、豪華ファイル、シーランド公国の概要・歴史・位置情報が書かれた書面、ロイ・ベーツ公並びに公室の写真、ロイ公、ジョン王女、マイケル摂政皇太子の伝記、ワールドファクトブックのエントリ、政府の構造について書かれた書面がセットとなる。
このCount/Countess Title Packの爵位認定証からは、認定日も明記されるようになった。

【IDカード】
シーランド公国の身分証明書IDカード(2013年6月発行)。
爵位を取得したものには、他に爵位、名前、住所が記載されたIDカードの発行も受け付けている。
別途£25.00が必要。

携帯できる身分証明書である。
爵位を取得したら必要となるものではなく、あくまで任意のものなので、申請しなくても爵位は失効しない。

こちらは顔写真も印刷されるため、5年の有効期限が付されている。
ただしこれはIDカードとしての有効期限であり、爵位そのものとは関係がない。

2013年現在は、『Title』欄が“Mr./Ms./Mrs./Dr.(博士号医師免許等保持者のみ)”等であれば、この身分証明書IDカードのみの発給申請も可能となっている。
申請はオンラインで行い、sealandgov.orgから返信されてくるメールに必要事項を記入。その際、IDカードに使用する写真ならびに、求められた各種事項を証明する公書類(パスポートなど)のスキャンデータを添付する必要がある。

【シーランド騎士団(ナイト)】
またシーランド騎士団勲章(Knights of the Sovereign Military Order of Sealand)と呼ばれる勲章も£99.99で販売されている。
貴族の身分ではなく、いわゆる「ナイトの称号」に当たる。認定証も爵位のものとはデザインが違う。

ちなみに切手や消印もSealandの物で送られてくる。

交通
港かヘリポートで海外へ渡航可能。国内の公共交通機関はなく、自家用の乗り物、または徒歩で移動する。

放送
元々は海賊放送局である、事実上のシーランド国営放送局がある。

映画
シーランド公国は、2007年9月14日にロイ・ベーツ公とその家族らを中心に据えた映画「Sealand」の制作決定をWebサイトで公表した。
複数の映画情報Webサイトでも取り上げられている。

スポーツ
サッカーシーランド代表というものが存在する。
監督はクリスティアン・オルセン。ただしFIFAやUEFAに加盟していないので、公式戦は行えない。
主に非承認国家が参加する国際団体NF-Boardには準会員として参加している。

公式キャラクター
日本の漫画ヘタリアに登場するシーランド君をシーランド公国政府及びシーランド大公ベーツ家として公式キャラクターとしており、上記の爵位を購入した際の付属の紙面にて紹介している。

豆知識
爵位を得た有名人
2006年11月22日放送のフジテレビ『ザ・ベストハウス123』の番組内で西川きよしがロードの称号を購入し、西川はシーランド公国の貴族、西川卿となった。
漫画家の後藤寿庵も男爵位を有していた。
流通ジャーナリストだった金子哲雄も爵位を保持していた。
モデルの知華がレディの爵位を購入している。
フリーのゲームデザイナー、ライター、オカルト研究考証家である三輪清宗も、男爵位を所有している。
IT企業代表の如月音流もLordの称号を取得、シーランド公国の貴族、如月卿となった。
政治評論家で作家の林雄介も男爵の爵位を購入している。
アニソンDJアイドルのサオリリスが男爵の爵位を購入している。
声優の長瀬ゆずはや折笠愛がレディの爵位を購入している。
なお折笠は、アニメ「ヘタリア」で、シーランド公式キャラクターにもなっている「シーランド君」の声を担当している。

抜粋:http://ul.lc/4wku(wikipedia)より





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