Fw61が初飛行
フォッケウルフ Fw 61
(Focke-Wulf Fw 61)
ドイツが開発した世界初の実用ヘリコプターである。
機番はFa 61とも表記される。
初飛行は1936年6月26日。
サイド・バイ・サイド・ローター形式のヘリで、Fw 44の胴体にジーメンス Sh 14Aを搭載し、航続距離230km、最高速度120km/hを記録した。
機首にも2枚羽根のプロペラがあるが、これは空冷星型エンジン冷却用に取り付けたものであり、前進時の推力として利用するという意図は無い。
サイドバイサイドローター式とは
メインローターが胴体を挟んで並列に配置されているもの。
横揺れに対する操縦安定性が高く、ローターが小さく横方向の車輪間距離を大きく取ることができる。
従って、地上安定性が良い。
利点としては、構造重量を増したり抗力を増すことなしに、固定翼を装備できる利点がある。
反面、ローターを支持する張り出しや、伝動軸による構造重量の増加や機械抵抗が増える、ローターと固定翼の気流が干渉して揚力を相殺するなどの不利な点がある。
揚力相殺って、危ないんじゃ・・・
概要
ハインリヒ・フォッケ博士は、シェルバ社製のシェルバ C.19、C.30という2機種のオートジャイロのフォッケウルフ社でのライセンス生産を行っていた。
また彼はFw 186の開発を通じ、オートジャイロの不十分で限定的な運用能力は、本当のヘリコプターによってのみ解決されるという結論に達した。
悟った!のかなw
フォッケとゲルト・アハゲリス技師は、1932年にこのヘリコプターの開発を始め、1934年には小型の2ストロークエンジンを搭載した、自由飛行が可能な、後の成功に繋がる機体を製造した。
この機体はミュンヘンのドイツ博物館で見ることができる。
残念ながら、写真は載せられない…。
過程
1935年2月9日にフォッケはFw 61と命名された試作機の製造を命じられたが、フォッケ自身はこの機をF61と称していた。
ドイツ航空省技術部のロルフ・ルフト(Roluf Lucht)は12月19日に2機目の試作機を発注した。
この機体の胴体構造部は十分に使い込まれたフォッケウルフ Fw 44シュティーグリッツ(Stieglitz)を基にして、1基の星型エンジンが胴体の左右に張り出した2基のローターを駆動した。
この左右のローターは互いに反対向きに回転することにより、ルイ・ブレゲーにより知られるようになったトルク反動の問題を解決していた。
僅か2機のみの試作機が製造され、試作初号機(V1)、登録記号D-EBVUは1936年6月26日にエヴァルト・ロールフスの操縦で初の自由飛行を行った。
試作2号機(V2)、登録記号D-EKRAは1937年春に完成し初飛行した。
1937年5月10日にV2はエンジンを止めて着陸するオートローテーションに成功した。
1938年2月、Fw 61はハンナ・ライチュの操縦により、ベルリンにある運動競技場「ドイッチュラントハレ」の屋内で展示飛行を行った。
これに続いてFw 61は高度、速度、最長滞空時間の記録を、1938年6月には3,427 m(11,243ft)の飛行高度記録と230km(143マイル)の直線飛行距離を樹立した。
オートローテーション
エンジン故障などによって動力を失ったヘリコプターでもすぐには墜落しないように、オートローテーション(自動回転)と呼ばれる飛行方法によって緩やかに降下できるよう工夫されている。
それは、カエデの種子が風を受けてクルクルと回転しながら舞い降りるように、ゆっくりと降下する方法である。
ただし全ての飛行状態においてオートローテーションが行えるのではなく、前進速度や高度が不足している場合は、オートローテーションに移行する前に墜落してしまう可能性がある。
オートローテーションはヘリコプターの操縦に必須の技術とされており、ヘリコプターパイロットは必ずその訓練を受ける。
技能試験では、規定高度から地上の規定の広さの中へ安全に模擬着陸できることが要求される。
なお、機体の重量が軽すぎると、オートローテーション時にコレクティブピッチ (CP) を最大(CP レバーを最も下)にしてもローターの回転数が上がらないので、ヘリコプターには最小飛行重量が定められている。
スペック
乗員:1名
全長:7.29 m、 全高:2.64 m
主ローター直径:7.01 m、 空虚重量:818 kg、最大離陸重量:950 kg
エンジン:1 × BMW Bramo 314 E、 星型エンジン 7気筒、160 hp (119 kW)
最高速度:122 km/h 、巡航速度:90 km/h
巡航高度:3,427 m
航続距離:230 km、 上昇率:3.50 m/s
抜粋:http://tiny.cc/dfpszx(wikipedia)より
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