【エボラ出血熱】これが現地の現状だ!研究者に聞いた。

【エボラ出血熱】これが現地の現状だ!研究者に聞いた。
シエラレオネ東部の町カイラフンにある国境なき医師団のエボラ治療施設。施設からわずか数メートルの森の中で、世界保健機関(WHO)のチームが家族の現れなかったエボラ出血熱患者の遺体を埋めている。
シエラレオネ東部の町カイラフンにある国境なき医師団のエボラ治療施設。施設からわずか数メートルの森の中で、世界保健機関(WHO)のチームが家族の現れなかったエボラ出血熱患者の遺体を埋めている。

現地はまさに戦場だ。この言葉が心に響く。
元がナショジオなだけに情報は正確だろう。
医療従事者たちはいつも命をかけて接している。中には心ない医者などが日本にも居るが、この現地にいる人達は正真正銘の医療の鏡といえる人たちだ。

アメリカ人ウイルス学者ジョセフ・フェア(Joseph Fair)氏は、過去10年間の大部分をシエラレオネで過ごし、現在はシエラレオネ保健省のアドバイザーとしてエボラ対策に取り組んでいる。先月、フェア氏は首都フリータウンから300キロ内陸にある都市ケネマの病院を訪問。古くからの友人らに出迎えられ、温かい抱擁を交わした。だが、その中の3人はその後2週間のうちにエボラ出血熱で命を落とした。世界保健機関(WHO)は金曜日、警告としては最高レベルの「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

今回、フェア氏はエボラ対策に関する電話会議の合間にナショナルジオグラフィックの取材に応じてくれた。

エボラ出血熱の流行に対し、人々はどう反応していますか?
流行が始まったばかりの頃は病気の存在を否定する人が多かったのですが、今ではかなり減っています。

エボラ出血熱の発生以来、この地域では数十人の死者が出ています。医療従事者たちの様子は?
他にふさわしい言い方がないのですが、「船を見捨てる」人は多いです。

去る人を責めることはできませんね。
そのとおりです。極めて危険な病気に直面しているわけですから。まるで戦争です。

シエラレオネのインフラについて教えてください。
人口20万人を超える町にも送電網は整備されていません。発電機しかない町で換気装置のようなハイテク機器を動かそうというのは無理です。

エボラ出血熱の沈静化のためには何ができますか?
今回の流行を沈めるためにできることはただ一つ、疫学の活用です。感染拡大を食い止めなければならないからです。あなたが感染者だとします。あなたは誰と接触を持ったのか? 彼らは誰と接触したのか? 彼らに話を聞きに行くためのオートバイやトラックの用意はあるか? 彼らは質問に応じてくれるか? それとも、すでに治療を求めて病院へ行ったり、別の町に逃げたりしてしまっただろうか? こういった問いに答えていく必要があります。

エボラ出血熱で亡くなられたご友人や感染したアメリカ人は皆、治療の訓練を受け、経験もあったはずです。それなのに感染してしまった。今回のエボラウイルスは特に危険なのでしょうか? それとも、あまりの疲労で正しい手順にしたがうことができなかったのでしょうか?
後者です。このような規模で流行してしまうと、患者数が2倍、4倍に膨らみますからね。経験の浅い新人が多いのも一因です。

彼らは十分な訓練を受けていないのですか?
通常、専門家たちは何年という時間をかけ、感染や小さなミスを防ぐ訓練を受けます。想像してください。エボラ出血熱との闘いにボランティアたちが参戦すれば、できる限りの訓練を受けさせようとします。
しかし、同時に12~14時間というシフトもこなす必要があります。平均気温35度という環境の中、防護服を着込んでいます。汗が吹き出て、お腹も空いているでしょう。ある人がこれまでに数週間の訓練を受けたとします。鼻がかゆくなり、とっさに掻いてしまう。これだけで、その人は感染のリスクにさらされてしまうのです。

保健省ではボランティアを募集していますか?
はい。(ウイルスが国外に広まらないよう)空港で検査を手伝う医学生などを募集しています。
亡くなられたご友人の一人、シーク・ウマル・カーン(Sheik Umar Khan)医師は生前エボラ対策に従事し、“国民的英雄”と呼ばれています。
感染症フェローシップを修了したばかりの彼とは10年来の付き合いでした。10年前に彼の前任者がラッサ熱患者の針刺し事故で亡くなった時、唯一後任を引き受けたのが彼でした。とても勇敢な若い男性でした。
同じくケネマの病院で看護師長を務めていたご友人のムバル・サンコー(Mbalu Sankoh)さんもウイルスに感染して亡くなられました。
彼女は25年間もあの病院で看護師を務めていました。彼女自身、ラッサ熱を経験しています。病院のスタッフにとっては母親のような存在で、皆のまとめ役をしてくれていました。

今も悲しみは消えないと思いますが、仕事が手につかないのでは?
もちろん、このような状況ではとても感情的になりますし、客観性を持つのは困難です。私だけではありません。家族を亡くした人や、家族を次々と亡くしている人は皆同じ気持ちです。

Karen Weintraub for National Geographic News
参考:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140811-00000001-natiogeog-int

 

科学・医学カテゴリの最新記事

Verified by MonsterInsights